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原田ひ香『月収』感想とあらすじ|物価高時代に刺さるリアルな生き方とは?

ゆさ
ゆさ

「このままの月収で、10年後も暮らしていけるのかな…」

物価は上がるのに、給料はなかなか増えない。将来のことを考えれば考えるほど、心はざわついていく――。

そんな今の時代に、そっと寄り添ってくれる小説があります。原田ひ香さんの『月収』は、異なる月収で生きる6人の女性たちを描いた連作短編集

年金だけで暮らす女性、月収10万円でやりくりする会社員、パパ活で100万円稼ぐ若者…。どの物語にも、「わかる」「自分もこうなりそう」というリアルさが詰まっています

この記事では、小説『月収』を通して、今の日本に生きる私たちが感じる「お金と暮らしの不安」に向き合いながら、自分らしい暮らし方を考えるヒントをお届けします。

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『月収』ってどんな本?──“お金と暮らし”を描いた6つのリアル

原田ひ香さんとは?社会と暮らしを描く作家

原田ひ香さんの作品には、「お金」「暮らし」「女性のリアル」といったテーマがしばしば登場します。代表作『三千円の使いかた』では、お金の価値を見直す視点が話題になりましたよね。

そして、そんな原田さんが新たに描いたのが『月収』という一冊。今回は「月収別の6人の女性たちの物語」。まるで現代の“お金百景”のように、それぞれの収入と暮らし方から、社会の今が見えてきます。

小説『月収』のあらすじと特徴

この本には、月収4万円~300万円まで、バラバラな立場の6人の女性が登場します。

  • 年金暮らしで月収4万円の66歳女性
  • 作家志望で月収8万円の30代女性
  • 正社員で親の介護を見越して新NISAを始めた29歳女性
  • 月収100万円のパパ活女子
  • 夫の遺産で月収300万円を得る未亡人
  • 企業したての月収17万円の介護士

読み進めるうちに、「これ、もしかして自分のこと?」と感じるようなリアルさ。フィクションだけど、どこか生々しいのです。

なぜ今、この小説が話題なのか

物価は上がる一方、給与は据え置き。年金や保険料の負担も増え続けるなかで、「今の月収で、ほんとうに暮らしていけるの?」という不安を、多くの人が抱えているはず。

そんな時代に、この小説は“他人のお財布”を覗くような面白さと、「私もひとりじゃない」と思わせてくれるあたたかさをくれます。

あなたの「月収」は、安心できる額ですか?

いまの日本:平均給与と現実の生活コスト

国税庁の調査によれば、日本の平均給与は約450万円。でもこれ、ボーナス込みであり、正社員・非正規雇用すべて含めての話。実際には、手取り15〜20万円台で生活している人も多いのが現実です。

そして、家賃・食費・光熱費……どれも値上がり中。とくに都市部では「働いても働いてもカツカツ」な人、増えているといいます。

お金の「不安」は、どこから来るのか?

多くの人が抱える“漠然とした不安”。それって「いくらあれば安心なのか」が自分でもわかっていないことからくるのかもしれません。

また、SNSでは「みんな稼いでいる」「贅沢している」ように見えるけど、実際のところは見えません。見えないからこそ比べてしまって、どんどんしんどくなる。

『月収』がリアルに感じられるのはなぜ?

この小説の登場人物たちは、みんな“どこにでもいそうな人たち”なんです。特別な才能や強烈なバックボーンがあるわけじゃない。だからこそ、共感できる。

「こんなに苦しんでるの、自分だけじゃなかったんだ」

「こういう生き方も、アリなんだ」

──そんなふうに、ちょっと心が軽くなるんです。

小説『月収』から見えてくる、“これからの暮らし方”

月収4万~300万円の6人の女性たち

たとえば月収4万円の高齢女性は、年金だけでギリギリの生活。だけど、無理せず無駄なく、静かに暮らす様子には、どこか美しさすら感じます。

逆に月収100万円の女性は、“稼いでいる”けど、その内面には空虚さも。お金がある=幸せ、ではないんだなと気づかされます。

どんな稼ぎ方・暮らし方を選ぶか?

副業、在宅ワーク、投資、シェアハウス、ミニマルライフ……稼ぎ方も暮らし方も、選択肢が広がっています。

「正社員じゃなきゃ」「年収は多い方がいい」そんな常識をいったん手放して、「自分に合う生き方ってなんだろう?」と考えるきっかけを、この小説はくれます。

「普通に働いても報われない時代」のリアル

努力して働いても、暮らしが楽にならない。そんな現実はもう、当たり前になりつつあります。

でも、“稼ぐ”ことより、“自分の幸福感を保てる範囲で暮らす”ことに目を向けたとき、少しラクになれる気がするのです。

今を生きる私たちへ──“月収”にとらわれず、自分らしい暮らしを考えるヒント

「このままでいいのかな」と思ったら

もし今の暮らしにモヤモヤしているなら、それはきっと「何か変えたい」というサイン。でも、いきなり仕事を辞める必要も、大きな一歩を踏み出す必要もありません。

まずは「自分にとっての“心地よい暮らし”って何だろう」と考える時間をもつところから、始めてみませんか?

今すぐできる“暮らしとお金”の見直しヒント

  • サブスクや固定費を見直す
  • 家計簿アプリを使ってみる
  • 月に1回「お金の棚卸」タイムを設けてみる
  • 気になる投資本やお金の漫画を読んで知識を入れる

どれも小さなアクションですが、まずは一歩進むこと、続けることで心の安定につながると思います。

『月収』はお金の話だけじゃない

この本の根底に流れているのは、「どう生きたいか」という問いです。

お金はその答えを形にするツール。だからこそ、“お金だけ”を見ずに、自分の暮らしそのものを見つめ直してみることが、大切なのかもしれません。

まとめ:「月収=幸せ」ではない時代を、どう生きるか?

『月収』という小説は、お金にまつわる“正解のない問い”に、静かに光を当ててくれます。

高ければ安心、低ければ不安──そんな単純な話ではなく、「自分にとって何が大切か」「どんなふうに暮らしたいか」という“軸”を持つことのほうが、よほど心を軽くしてくれる。

これからの時代を生き抜くうえで、収入だけに縛られず、「心のゆとり」や「選択の自由」をどう手にしていくか。

そのヒントは、他人の“月収”をのぞき見するこの物語の中に、きっと隠れています。

不安な日々のなかで、自分らしく生きていくためのヒントがほしいとき。

『月収』は、“お金”という現実と、“幸せ”という感情のちょうど真ん中を、やさしく照らしてくれる本です。

\今回ご紹介した本はこちらでした🍀/

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